2024年、K-POP界に彗星のごとく現れたガールズグループ ILLIT(アイリット)。デビュー曲『Magnetic』は音楽チャートを席巻し、世界中のファンを虜にしています。
その輝かしいデビューの裏で、多くのファンが抱く一つの疑問がありました。
「もし、”あのメンバー”がいたら…?」
サバイバル番組「R U Next?」を最終2位という高順位で通過し、デビューが確実視されながらも、突如グループを去った イ・ヨンソ。

彼女はなぜILLITとしてのデビューを選ばず、全く新しい男女混合グループ 「ADP (Allday Project)」 のメンバーとして再び私たちの前に姿を現したのでしょうか?
この記事では、公式発表の裏側にある韓国現地のリアルな声や、彼女のパフォーマンスの変化を徹底的に分析。イ・ヨンソが自ら選んだ道と、新グループで起こす 「化学反応」 の正体に迫ります。
この記事のポイント

結論:その選択は「偶然」ではなく「必然」だった
いきなり結論からお伝えします。
イ・ヨンソのILLIT脱退とADPでの再デビューは、単なる事務所の移籍ではありません。それは、「清純で可愛らしいアイドル」という安全な道ではなく、「自身の強みを最大限に発揮できるアーティスト」へと進化するための、彼女自身の明確な意思表示であった可能性が非常に高いのです。
【徹底比較】ILLIT vs ADP:あまりにも対照的な二つの世界
その理由は、両グループのコンセプトを見比べると一目瞭然です。K-POPという同じジャンルにありながら、その方向性は「正反対」と言えるほど異なっています。

ILLIT ✨:計算された「少女たちのリアル」
- コンセプト: 10代の少女のありのままの姿、自由で純粋な想像力。
- 音楽性: 軽やかで一度聴いたら耳から離れない、キャッチーなティーンポップ(代表曲: `Magnetic`)。
- ビジュアル: パジャマやフリル、チェック柄など、等身大の可愛らしさを強調したスタイル。
- キーワード: #透明感 #ドリーミー #イノセント
ILLITは、誰もが「可愛い!」と感じるような、親しみやすく幻想的な世界観が魅力です。
ADP 🕶️:規格外の才能が集う「新たな方程式」
ここにK-popグループADPのデビューコンセプトの写真

- コンセプト: 「有名ではないが、すでに注目されている」という自信と野心。
- 音楽性: ブラジルファンク、トラップ、R&Bなどを融合させた、アンダーグラウンドな雰囲気漂う実験的サウンド(プロデューサーはBIGBANGやBLACKPINKを手掛けた Teddy Park)。
- ビジュアル: 洗練されたストリートファッションに身を包んだ、クールでヒップホップ色の強いスタイル。
- キーワード: #男女混合 #Teddy Parkプロデュース #アンダーグラウンド
ADPは、既存のアイドルの枠に収まらない、個性的でアーティスティックな世界観を打ち出しています。
パフォーマンスから見る「覚醒」:彼女の中で何が変わったのか? 🎤
彼女の選択が正しかったことを裏付けるように、イ・ヨンソはADPという新しい環境で、これまでのイメージを覆すほどの輝きを放ち始めています。

サバイバル番組時代の彼女は、確かにボーカルもダンスも上手な優等生でした。しかし、ADPのデビュー曲 `FAMOUS` のパフォーマンス(特に個々の動きに集中できる「ファンカム」映像)を見ると、その変化は明らかです。
- ボーカル: 透明感のある歌声はそのままに、R&Bのような粘りのあるクールなニュアンスが加わりました。
- ダンス: しなやかさに加え、ヒップホップの重いビートを乗りこなす力強さとキレが格段に増しています。
- 表現力: 何より変わったのが「表情」です。自信に満ちた、少し挑発的な視線は、ILLITのコンセプトでは決して見ることのできなかった「新しいイ・ヨンソ」の姿と言えるでしょう。
【韓国現地の視点】ファンは彼女の選択をどう見ている? 🔍
韓国のオンラインコミュニティでも、彼女の脱退と再デビューは大きな話題となりました。公式発表は「双方の合意」とされていますが、ファンの間ではこのような見方が広がっています。
「最終2位だった彼女が辞めるのは不自然。きっと、ILLITのコンセプトが自分に合わないと感じ、もっと自分のスタイルを表現できる場所を自ら選んだのではないか」
この推測は、ADPのユニークなメンバー構成からも裏付けられます。世界的ダンサーや実力派ラッパー、さらには韓国有数の大企業の創業者の孫娘まで、各々が強力なバックグラウンドを持つメンバーの中で、イ・ヨンソは「K-POPアイドルとしての確かな実力」を担う、まさにグループの要となっているのです。

プロが注目するADPの「課題」:乗り越えるべき2つの壁 🤔
もちろん、彼女たちが進む道は簡単なものではありません。専門家や熱心なファンは、ADPが今後乗り越えるべき2つの課題を指摘しています。
1. アルバムセールスとファンダム形成
音楽配信サイトでは好成績を収めている一方、CDの初週販売枚数は約1万2千枚と、人気に対して少し控えめな数字です。これは、男女混合グループが熱心なファン層(特にCDを複数購入する層)を掴むことの難しさを示唆しており、今後のファンダムをどう広げていくかが鍵となります。

2. 文化的盗用(Cultural Appropriation)を巡る議論
メンバーの一人、タジャン(Tarzzan)のドレッドヘアなどのスタイルが、海外のK-POPファンの間で「文化的盗用ではないか」という議論を呼んでいます。これはグローバルな活動を目指す上で無視できない問題であり、彼の個性を尊重しつつ、多様な文化にどう向き合っていくのか、事務所の慎重な対応が求められます。

まとめ:彼女の物語は、まだ始まったばかり
イ・ヨンソの再デビューは、挫折からの再起という単純な物語ではありません。
それは、自らの可能性を信じ、最も輝ける場所を自ら選び取った、一人のアーティストの力強い決意の物語です。ILLITのメンバーとしてデビューしていたら見られなかったであろう、彼女の新たな魅力がADPで今、まさに開花しようとしています。
清純なアイドルから、クールなアーティストへ。
彼女の選択が正しかったのか、その答えをあなた自身の目と耳で確かめてみませんか?
まずはADPの公式MV「FAMOUS」と、イ・ヨンソの「覚醒」がよくわかるパフォーマンスファンカムをチェックしてみてください。きっと、彼女がこの道を選んだ理由が、あなたにも伝わるはずです。